終わりの始まり?

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人民元のIMFのSDR入りに関する件です。

IMF、人民元のSDR採用を決定

[ワシントン/トロント 30日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は30日開いた理事会で、特別引き出し権(SDR)構成通貨に中国人民元を採用することを承認した。35年ぶりの大掛かりな構成通貨の変更となる。人民元のSDR通貨バスケット比率は10.92%と、事前予想並みの水準となった。

IMFが2010年に設定した直近の比率はドルが41.9%、ユーロは37.4%、英ポンドが11.3%、円が9.4%だった。

人民元が採用されたことで、この比率はユーロが30.93%に低下、ポンドも8.09%、円も8.33%にそれぞれ低下した。ドルの比率は41.73%とほぼ同水準に保たれた。人民元が構成通貨に加わるのは来年10月以降。

(中略)

アナリストは、中国が資本勘定を完全に自由化し、変動相場制に移行しない限り、投資家は人民元を国際通貨として使用することに引き続き慎重になる、との見方を示している。

人民元がIMFの特別引き出し権(SDR)に採用されたわけですが、比率からしてユーロとポンドの枠を人民元に割り当てた形となります。最も来年の10月以降に構成通貨に加わるとの記載の通り、中国の金融改革や開放促進などを見てから判断といったところで、ある程度進んだ場合に構成通貨に加わるといったところと思われます。どっちにしろ、完全変動相場制への移行が条件であって、実現が無理なら加わらない可能性もあるかと。

現段階で中国にとっては、SDRの構成通貨に加えることによる通貨への信用面でメリットはあるが、為替操作が出来なくなり、自国の都合だけを考えた金融政策などは取りにくくなることがデメリットでしょう。どっちにしろ、資本勘定を完全に自由化し、変動相場制に移行しない限りは、人民元を国際通貨として利用することは慎重になるだろうし、元建ての決済についてもそんなに増えないと思われます。SDRに加わることでお金は動かせるわけでもないし、中国の改革が進まない限りは、現状と変わりはないと思われます。そういう意味では、現段階で心配するといったことはないと考えていいかと・・・。

経済面の影響としては、中国の景気は悪化しており、AIIBは失敗、TPPは仲間はずれとなり、外交的にも行き詰まってるのが現状で、来年1月9日の大口株主の株売買規制の終了が大きく注目されます。年内は上海市場は持つとは思いますが、それ以降はどうなるんだか??GDPなど中国の統計は作られた感があるわけで、実際の経済状況は深刻と思いますがね。ただでさえ、資本流出しているし、アメリカの利上げが決まれば、新興国への影響も小さくないことから、中国経済への打撃も小さくはないだろうね。

他にもイギリスの原発の違約金ビジネスの罠や、今回のSDRの件にしてもそうなんだけど、中国は経済的にも政治的にも追い詰められているわけで、SDRの構成通貨になったとして、この状況で自由経済に対応は出来るか疑問です。資本逃避している流れも変わらないだろうし、自由化や変動相場制などの対応を進めない限り、人民元の国際通貨としての価値は見込めないわけです。利用に制限のある通貨は決済に使いたくないし、使い道のない通貨に存在価値などありません。また、変動相場制にすれば、元がどのように動くかは分からないが、利用価値がなくなったら暴落させて紙くずと化す可能性は高いと思われます。もしくはプラザ合意後の日本の可能性もあるが、その可能性は低いでしょう。

どっちにしろ、SDRに入ろうが入るまいが今後のシナリオに変化はありませんが、終わりの始まりといったところが現状でしょう。