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2164 諸悪の根源マンセー日弁連26

匿名希望
刑法の一部を改正する法律案(国旗損壊罪新設法案)に関する会長声明
自由民主党は、5月29日、日本国を侮辱する目的で国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処するとする「国旗損壊罪」を新設するための刑法改正案を国会に提出した。自由民主党の説明では、現行刑法には、外国の国旗については損壊罪が明記されているが、自国の国旗に関する条文がないことが問題だという。
刑法における外国国章損壊罪が規定された理由は、それらの罪に当たる行為が外国を侮辱するものであることから、国際紛争の火種となり、外交問題にまで発展する可能性があり、ひいては日本の対外的安全と国際関係的地位を危うくするからとされている。他方、上記「国旗損壊罪」の保護法益は明確でないが、少なくとも外国国章損壊罪と同様の保護法益が存在しないことは明らかである。
日本において国旗とされる日の丸は国民の間に広く定着しており、愛着を感じる人も少なくない。しかし、国家の威信や尊厳は本来国民の自由かつ自然な感情によって維持されるべきものであり、刑罰をもって国民に強制することは国家主義を助長しかねず、謙抑的であるべきである。同法案は、損壊対象の国旗を官公署に掲げられたものに限定していないため、国旗を商業広告やスポーツ応援に利用する行為、あるいは政府に抗議する表現方法として国旗を用いる行為なども処罰の対象に含まれかねず、表現の自由を侵害するおそれがある。
この点、米国では、連邦議会が制定した国旗保護法の適用に対し、連邦最高裁が「国旗冒とくを罰することは、この象徴的存在をかくも崇敬され、また尊敬に値するものとせしめている自由を弱体化させる」として、違憲とする判決を1990年に出している。
日の丸は、戦前、国家主義高揚の手段の一つとして使われた経緯を有しているため、国旗・国歌法が制定された今日においても、過去のいまわしい戦争を想起させるとの意見、また近隣諸国民に対する外交上の配慮から、日の丸は国際協調を基本とする現行憲法にふさわしくないとする意見も少なくない。国旗・国歌法制定の際の国会質疑においても、こうした過去の経緯に配慮して、国旗・国歌の義務付けや尊重規定を設けることは適当でない旨の政府答弁がなされている。
 これに対し、国旗損壊罪を制定している諸外国の中でも、ドイツやイタリアは第2次大戦中の国旗を現在は国旗として使用していないことを考慮すれば、第2次大戦中の国旗を現在も使用している日本においては、国旗損壊罪の法制化に当たり上記のように戦争被害を受けた内外の諸国民の感情に配慮する十分な理由がある。
以上を踏まえ、当連合会は、「国旗損壊罪」の法制化に反対する。
2012年(平成24年)6月1日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司

匿名希望
日弁連昭和62年総会決議無効確認訴訟判決言渡について
国家秘密法に反対する日弁連の昭和62年総会決議の無効確認と日弁連運動の差止等を求める一部会員からの提訴につき、本日、東京高等裁判所第5民事部(川上正俊裁判長)は、日弁連側全面勝訴の判決を言渡しました。
この判決は、本件日弁連決議と日弁連運動が構成員である会員個人の権利を侵害するものではないという理由で、原告である一部会員たちの請求を全部棄却した本年1月30日付の一審判決を基本的に維持しています。
今回の判決は、その上で、次の点を積極的に認定・判断しました。
弁護士会の活動は、「目的を逸脱した行為に出ることはできないものであり、公法人であることをも考えると、特に特定の政治的な主義、主張や目的に出たり、中立性、公正を損なうような活動をすることは許されない」
 しかし、「弁護士に課せられた」弁護士法1条の「使命が重大で、弁護士個人の活動のみによって実現するには自ずから限界があり、特に法律制度の改善のごときは個々の弁護士の力に期待することは困難である…ことを考え合わせると、被控訴人が、弁護士の右使命を達成するために、基本的人権の擁護、社会正義の実現の見地から、法律制度の改善(創設、改廃等)について、会としての意見を明らかにし、それに沿った活動をすることも」、目的の「範囲内のものと解するのが相当である。」
本件総会決議は、「本件法律案が構成要件の明確性を欠き、国民の言論、表現の自由を侵害し、知る権利をはじめとする国民の基本的人権を侵害するものであるなど、専ら法理論上の見地から理由を明示して、法案を国会に提出することに反対する旨の意見を表明したものであることは決議の内容に照し明らかであり、これが特定の政治上の主義、主張や目的のためになされたとか、それが団体としての中立性などを損なうものであると認めるに足りる証拠は見当たらない。」
このように、今回の判決は、国家秘密法に反対する日弁連の総会決議と運動が「会の目的を逸脱するものではない」と積極的に認定・判断したのです。
日弁連としては、今回の判決が、十分な会内合意に基づく日弁連活動の実状とそれに関する日弁連側の主張を全面的に認めて、正しい事実を認定し、これに正当な法的評価を加えたことを高く評価するものです。
日弁連としては、今後とも、「基本的人権の擁護、社会正義実現」のために、ひろく国民の皆さまとともに、いっそう、弁護士会活動を発展させていく決意です。
1992年(平成4年)12月21日
日本弁護士連合会
会長 阿部三郎

匿名希望
教育委員会制度等改革法制に関する会長声明
政府与党内において進められていた、教育委員会制度をはじめとする地方教育行政のあり方を見直す内容の法案化作業について、今般、与党内での合意が成立し、国会に上程され審議入りする見込みであると報道されている。
当連合会では、2006年に教育基本法改正に対し慎重審議を求める会長談話を発表し、2007年にはいわゆる教育関係三法の改正に反対する意見を表明した。
そして、2012年の人権擁護大会では、政治や行政による教育への不当な支配・介入の禁止、教育の自主性・自律性の確保等教育上の諸原則の遵守、子どもの成長発達権、学習権等の保障等を強く求める決議を行っているところである。
教育委員会制度を中核とする地方教育行政に関する現行制度の制度趣旨は、教育の政治的中立性の確保、安定性・継続性の確保等にある。それは、教育行政の地方分権、民主化、一般行政からの独立のために、当初は公選制の下で合議制執行機関としての教育委員会制度により、教育への不当な支配・介入を禁止し、自主性・自律性という教育の本質的要請に応え、ひいては憲法の保障する子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等の基本的人権の十全な保障を確保するために戦後創設された制度枠組みである。
教育委員会制度がこのように憲法・教育基本法の基本的価値と直結する制度であることからすれば、①その制度に関連した弊害を根拠に制度改革の必要性が指摘される場合にも、実際にそうした弊害があるのか、あるとしてもその弊害が制度に内在するものであって制度の抜本改革をせざるを得ないものなのか、という制度改革を基礎付ける立法事実の厳密な検証が必要であるとともに、他方で、②改革案について、その改革内容が現行教育委員会制度が担っている、教育への不当な支配・介入等の禁止や、学習権・成長発達権の保障等の趣旨・理念を損なうおそれがあるものとなっていないのかについても厳密な検討がなされなければならない。
ところで、政府が改革を必要とする理由としては、「責任の所在の不明確さ」「危機管理能力の不足」「審議等の形骸化」等を挙げている。しかしながら、「責任の所在の不明確さ」については、そもそもその趣旨が明確とはいえない。「危機管理能力の不足」については、教育委員会制度自体を抜本的に改革せずとも、個別事案で緊急対応を要する案件のための機関を教育委員会等に附属させて設置すること等により対処しうるところであって、教育委員会制度の抜本改革を不可避とする弊害とはいえない。また、「審議等の形骸化」についても、そうした弊害が広く生じていると評価する十分な根拠はなく、逆に制度関係者へのアンケート調査結果等から見たとき、仮にそうした弊害が生じている場合があるとしても、それは制度自体に伴う問題というよりも運用に伴う問題であって、現行制度の基本枠内での改善で十分対応できるのではないかとの疑問を払拭できていない。このように、現在の改革案は、そもそも改革を必要とする立法事実の十分な検証がなされたとはいい難い。
さらに、その基本的内容及び方向は、地方教育行政における教育委員会の権限を弱め、地方自治体首長の権限を強めるとともに、国の地方教育行政への関与権限をも強めようとするものである。このような方向性には、教育委員会制度を設けることにより地方教育行政についての政治的中立性、継続性・安定性等を確保し、もって、教育の本質的要請である自主性・自律性を維持し、子どもの教育を受ける権利・学習権の充足を図ろうとした、地方教育行政制度の本来の趣旨・理念に反するおそれがあるという問題があり、この点の検討も不十分であるといわざるを得ない。
よって、当連合会としては、法案化の前提として、これらの問題についての十分な検証・検討が不可欠であり、こうした検討をしないまま改革案の基本的内容及び方向を拙速に法案化することなく、更に慎重に議論を尽くすべきであると考える。
2014年(平成26年)3月20日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司

匿名希望
法務副大臣「今後の外国人の受入れ等に関するプロジェクト」「今後の外国人の受入れについて」(中間まとめ)に対する意見書
2006年7月20日
日本弁護士連合会
本意見書について
法務省内に設置された「今後の外国人の受入れに関するプロジェクトチーム」(主査:法務副大臣)が、2006年6月に、「今後の外国人の受入れについて」(中間まとめ)を公表しました。
この「中間まとめ」は、日本のこれまでの外国人労働者の受入れ体制は不十分であったとして、実態を踏まえた新しい受入れ策を提示しようとするものではありますが、その内容には、多民族・多文化の共生する社会の構築や外国人の基本的人権の確立という点からみて、重大な問題が含まれています。
そこで、日弁連は2006年7月20日の理事会において、この「中間まとめ」に対する意見書をとりまとめ、法務大臣宛に提出しました。
意見の要旨は下記のとおりです。
外国人の受入れを検討するにあたっては、多民族・多文化の共生する社会を構築するための条件を整備するという観点をとり入れるべきである。
 外国人に対して新たに在留カード(仮称)の取得・携帯を義務づけることには、反対である。
 外国人の勤務先・学校等に対し、受入れに関する入国管理局への報告を義務づけることには、反対である。
 各関係行政機関の保有する外国人の情報の相互活用を可能にし、各種情報を集中的・一元的に管理して情報の総合管理機能を強化する途を開くことには、反対である。
 既に日本に滞在している日系人の継続的な在留の要件として、「安定した生計維持能力(定職)」と一定の日本語能力を求めることには、反対である。
外国人労働者に対し、子弟に義務教育を受けさせることなどの義務を課すことについては、外国人の子どもが民族学校・インターナショナルスクールで学ぶことを選択する権利と矛盾するものであってはならない。また、これら教育機関への公的助成を充実させ、公立学校での日本語指導や多文化共生のための指導などが積極的に実施されなくてはならない。

匿名希望
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」の一部修正を求める会長声明
本年4月8日、自民党及び公明党は、参議院に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」(以下「本法案」という。)を提出し、現在国会で審議が行われている。
 当連合会は、2015年5月7日付け「人種等を理由とする差別の撤廃に向けた速やかな施策を求める意見書」において、人種的憎悪や人種的差別を煽動・助長する言動(以下「ヘイトスピーチ」という。)を含む人種差別につき、その禁止の理念を定めた基本法を制定するよう国に求めていた。
 本法案が、その前文において、蔓延する深刻なヘイトスピーチが「地域社会に深刻な亀裂を生じさせている」ことを指摘し、「このような不当な差別的言動は許されないことを宣言」したことを評価する。
 しかし、本法案が第2条において、「不当な差別的言動」の対象を「適法に居住する者」に限定(以下「適法居住要件」という。)している点は、在留資格のない者はヘイトスピーチの対象となってもやむを得ないとの解釈を生じさせる危険があるものであり、このような限定は削除されるべきである。
 ヘイトスピーチは、個人の尊厳を著しく傷つけ、差別や偏見を醸成するものであることからその防止が求められているのであり、個人の尊厳や差別を受けない権利は、在留資格の有無にかかわらず等しく保障されなければならない人権である。国連人種差別撤廃委員会も「人種差別に対する立法上の保障が、出入国管理法令上の地位にかかわりなく市民でない者に適用されることを確保すること、および立法の実施が市民でない者に差別的な効果をもつことがないよう確保すること。」(市民でない者に対する差別に関する一般的勧告30)と勧告している。
 ヘイトスピーチを行うグループは、過去に、非正規滞在から人道配慮による在留特別許可を求めた者を非難・誹謗するデモ、街頭宣伝を行ったこともある。また、難民申請者の相当数は、入国の経緯からして、やむなく在留資格を持たない者であるが、同グループは、難民申請者を非難・誹謗したりする街頭宣伝を行ったこともある。したがって、「適法に居住」していない者についても、ヘイトスピーチから保護する必要性は高い。
 日本が批准している人種差別撤廃条約に基づけば、「本邦外出身者」に限らない人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身を理由とする差別的言動も禁止の対象とすること、また、差別的な言動のみならず、就職や入居などの様々な社会的差別の撤廃を実現することも検討されるべきである。本法案を人種差別撤廃に向けた法整備の第一歩と捉え、国は今後、人種差別全般について実態調査を行ってその実態を検証するとともに、当連合会が求める包括的な基本法制定の必要性について検討を行うべきである。
 当連合会は、特に適法居住要件の修正等が行われた上で、本法案が今国会において成立することを求め、もって日本における人種的差別が一日も早く根絶することを期待するものである。
2016年(平成28年)5月10日
日本弁護士連合会
会長 中本 和洋

匿名希望
外国人の在留カード及び外国人住民基本台帳制度の開始に際しての会長声明
本日、2009年7月に成立した出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)、住民基本台帳法(以下「住基法」という。)及び外国人登録法の改正法が施行された。
この施行によって、外国人登録制度が廃止され、3か月を超える在留資格を持つ者(特別永住者を除く。)には、国(法務省)が新たに発行する在留カードの常時携帯義務や住居地の迅速な届出義務が課され、就労や留学の在留資格を持つ者には所属機関の届出義務、日本人の配偶者等の在留資格を持つ者には離婚等の届出義務が課されるとともに、これらの届出を懈怠したときは刑事罰が科せられることとなった。他方で、特別永住者や3か月を超える在留資格を持つ者は、地方自治体が管理する住民基本台帳に住民として記載されることとなった。
本改正は、外国人も日本人と同じく住民基本台帳に記載し、地方自治体の行政サービスの実施の基礎とすること、特別永住者については外国人登録証に代わる特別永住者証明書の常時携帯義務をなくしたことなどの積極面があるものの、種々の届出義務の強化や在留資格のない外国人を住民基本台帳の記載から排除する点などにおいて、外国人の在留管理を強化するものである。
そこで、改正法の施行によって、憲法や国際人権諸条約によって外国人に保障されている諸権利が侵害されることがないよう、次の点に留意すべきである。
1 離婚や住居地変更に厳格な届出義務が課されたことにより、国は離婚や夫婦の別居の事実を把握しやすくなり、これと併せて、日本人や永住者などの配偶者としての身分に基づいて在留する者が、6か月以上にわたってその身分を有する者としての活動を行っていない場合に、在留資格を取り消す制度が施行される。しかし、別居が継続しているといっても、ドメスティック・バイオレンス(DV)から逃れていたり、有責配偶者から離婚を求められたりしている場合にまで、在留資格が取り消されるような運用がなされてはならず、この場合には、法律に規定する「正当な理由」のある場合として取消しの対象から外すよう、また、ドメスティック・バイオレンス(DV)に当たるか否かの判断が狭きに失しないよう、国の運用を明確にするべきである。
 さらに、別居や離婚によって「日本人の配偶者等」などの在留資格の継続あるいは更新ができなくなる場合にも、当該外国人が一方的に不利な立場に置かれることのないよう、調停や訴訟などの婚姻解消過程における在留を保障し、また、従来の在留実績等を考慮して「定住者」などの定住的在留資格を付与するなどの運用を明確にすべきである。
2 改正法は、在留資格を持たない外国人については、難民申請中の仮滞在許可者を除いて、行政サービスの基礎となる住民基本台帳に記載しないこととしている。しかし、在留資格がなくても、在留を特別に許可されるべく審査中であったり、難民認定申請中であるなどのために、一定期間仮放免許可が継続している者についてまで、行政サービスを受けることを否定すべきではない。また、子どもの権利条約28条や国際人権(社会権)規約12条などに鑑み、住民基本台帳に記載のない、在留資格のない外国人一般についても、緊急医療、母子保健、教育を受ける権利の保障の場面では、何ら差別なく行政サービスを受ける権利があり、このことは改正法の審議の中で政府も明確に答弁してきたところである。
これらを受けて、入管法改正法附則は一定期間仮放免を受けている者について、また、住基法改正法附則は在留資格のない者一般について、地方自治体による行政サービスを受け得るための方策を検討すべきことを規定している。現在のところ、仮放免を受けている者についてはその情報を法務省から地方自治体に提供しているものの、これらの人々を含め在留資格のない者に対する行政サービスをどのように実施するかは各地方自治体の判断に委ねられていることから、国は、各地方自治体に対し、全ての外国人に対して保障されるべき行政サービスを差別なく実施するよう十分に周知すべきである。
よって、当連合会は、国に対して、上記のとおり、日本人の配偶者などの婚姻関係や安定した在留が危うくなるような運用を行わないことと、在留資格のない者にも保障される権利の実現のための諸方策を直ちにとることを求め、あわせて、全ての外国人の権利を保障し、多民族多文化の共生する社会を構築する観点から、在留カードの常時携帯義務の廃止、住民基本台帳に記載する者の範囲の拡大など、改正法の在留管理強化の方策の見直しに着手することを求める。
また、地方自治体に対しては、改正法の施行が在留資格のない外国人にも保障される諸権利を何ら変更するものでないことを前提として、今後も対応されるよう求めるものである。
2012年(平成24年)7月9日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司