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2188 諸悪の根源マンセー日弁連50

匿名希望
共謀罪の新設に反対する会長声明(2005年7月29日)
 平成15年の通常国会から衆議院解散に伴う廃案を挟んで4国会にわたって継続審議となっている「犯罪の国際化および組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下「法案」といいます)は、今国会において審議日程に上っておりますが、同法案に規定されている「共謀罪」は、以下のとおり、看過できない問題を含んでいます。
 共謀罪とは、「長期4年以上の刑を定める犯罪」(強盗、殺人などの重大犯罪だけでなく、窃盗・横領・背任や公職選挙法違反などを含む合計600以上もの犯罪)について、「団体の活動として」「当該行為を実行するために組織により行われるもの」の「遂行を共謀した」場合に成立し、これに一定の有期懲役刑を科すものです。すなわち、共謀罪が成立するためには、犯罪を遂行しようとした意思を合致させる謀議、あるいは謀議の結果としての合意があれば足り、凶器や犯行のための道具の準備なども不要であるばかりでなく、組織的犯罪集団の行為である必要もなく、「犯行の合意」という誠に不明確な概念により処罰できるようになります。これは、外形的行為のない意思の段階では処罰しないという我が国の刑法の大原則に反するばかりではなく、思想信条の自由、表現の自由、集会・結社の自由など憲法上の基本的人権に対する重大な脅威となるものです。
 また、共謀罪の捜査は、具体的な法益侵害行為を対象とするものではなく、会話、電話、メールなどのあらゆるコミュニケーションの内容を対象とし、客観的な裏付け証拠がないため、捜査の自白への依存度を高めて自白獲得偏重となり、既に制定されている「犯罪捜査の通信傍受に関する法律」の適用範囲の拡大等、通信の秘密やプライバシーの侵害にもつながりかねません。
 そもそも、共謀罪の新設は、「国際的な犯罪の防止に関する国際連合条約」(以下「条約」といいます)の批准に必要なものと説明されておりますが、条約では、3条1項において、適用範囲に関して「性質上越境的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するもの」に限定されているにもかかわらず、法案では「団体」や対象犯罪に関して何らの限定がなされておらず、同条約の趣旨ともかけ離れたものです。
よって、当会は、法案に規定されている「共謀罪」は、刑法の基本原則に反し、思想・表現の自由などの憲法で保障された基本的人権に対する重大な脅威であるので、この新設に反対するものです。
2005年7月29日
京 都 弁 護 士 会
会 長 田 中 彰 寿
匿名希望
衆議院で可決された盗聴法案に反対する声明(1999年6月2日)
 昨日(6月1日)、衆議院本会議で盗聴法案を含む組織的犯罪対策法案が可決され、法案は参議院に送付されたが、極めて遺憾である。
 当会は、昨年4月1日に常議員会決議をあげて、盗聴法案は国民の基本的人権を侵害する危険が極めて高いものであることを指摘し、今日まで様々な反対運動を展開してきた。
 今回、衆議院で可決されるに際し、若干の修正がなされたが、当会が指摘してきた盗聴法案の本質的な問題点は何ら解消されていない。対象とされる犯罪の数は減ったものの、依然として予備的盗聴、事前盗聴、別件盗聴を認めているため、現に犯罪が行われていないにもかかわらず、しかも、犯罪と関係のない通信についても盗聴することが可能となっている。また、2人以上による犯罪の可能性さえあれば盗聴の対象とされ、犯罪者が電話をする相手方であれば誰でも盗聴の対象となるため、犯罪組織だけでなく一般市民や団体、労働組合、マスコミなども盗聴と対象となる。盗聴される通信施設も公衆電話や携帯電話、ファックス、インターネットなどすべてに及び、盗聴期間も事実上無制限となっている。立会人を常時付けることにはなったが、立会人には被疑事実は示されず、しかも、立会人は通信内容を聞くことができないためため、犯罪と関係のない通信の盗聴を防止することには役立たない。結局、警察がNTTなどの通信施設内においてほとんど制約を受けることなく盗聴できることになっている。このような盗聴法案は、修正されたとはいえ憲法21条(通信の秘密を保障)や35条(捜索場所や差押物の明示を要求している令状主義)に違反する疑いが極めて強いものである。
そこで、当会は、参議院での徹底した十分な審議を求めるとともに、盗聴法案の廃案を求めるものである。
1999年(平成11年)6月2日
京都弁護士会
会長 村 山 晃
匿名希望
共謀罪の新設に反対する会長声明(2003年8月19日)
共謀罪の新設に反対する会長声明
共謀罪を新設する「犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下「法案」という。)が、2003年3月に国会に上程され、現在、衆議院で継続審議となっている。
 この共謀罪とは、団体の活動として、組織により行われるものの遂行を共謀した者に対して、長期4年以上10年以下の懲役・禁錮の刑を定める罪を共謀した場合には2年以下の懲役・禁錮、死刑または無期もしくは長期10年を超える懲役・禁錮の刑を定める罪を共謀した場合には5年以下の懲役・禁錮を科すというものである。
この共謀罪の新設は、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」(以下「犯罪防止条約」という。)の批准に伴うものとされている。国内法の整備が必要だとしても、処罰範囲の拡大は必要最小限であるべきである。しかし、犯罪防止条約においては、その適用範囲は「性質上越境的なものであり、且つ、組織的な犯罪集団が関与するもの」に限定されているはずであるにもかかわらず、法案においてはこの「越境性」「組織的な犯罪集団の関与」が抜け落ち、条約批准に伴う国内法整備という範囲を超えて過度に適用範囲を拡大している。
 また、この共謀罪は、実行行為の着手のみならず予備行為さえも要件としておらず、共謀それ自体を処罰するものとなっており、構成要件がきわめて広範かつ曖昧な上に処罰時期を著しく前倒しにするものである。これでは、団体内の個人どうしが犯罪行為の相談をしただけで、具体的危険性が生じるかどうかも不明な段階であっても、上記刑罰が科されることになりかねない。
 さらに、現行法上、予備行為が処罰されるのはごく限られた重大犯罪とされているが、この共謀罪においては500以上にものぼる非常に広範な犯罪が対象とされてしまうのである。
 しかも、このような行為の捜査は、具体的な被害事実から出発するのではなく、会話、メールなどのやりとりそのものを取り締まることになり、盗聴法の適用範囲の拡大など不当な監視・管理の強化につながることになる。
このように、共謀罪の新設は、構成要件の明確性を欠き、処罰時期を著しく早め、処罰範囲を一気に拡大して、事実上刑法を全面改悪するに等しいものである。これは罪刑法定主義に反し、言論の自由、結社の自由などの基本的人権に対する重大な脅威である。
よって、当会は、共謀罪の新設に反対する。
2003年(平成15年)8月19日
京都弁護士会  塚 本 誠
匿名希望
京都府国民保護計画作成に対する意見書(2005年9月8日)
2005年(平成17年)9月8日
京都弁護士会
会長 田 中 彰 寿
はじめに
当会は、これまでいわゆる「有事法制法案」に反対し、また、国民保護法案について、その内容の危険性と問題点を指摘してきた。昨年6月にも、国民保護法案など有事法制関連7法案・3条約承認案件が参議院で可決されたときに、国民保護法案の問題点として、「武力攻撃事態等の発生の可能性という立法事実自体や、そこで想定される住民避難等の措置の実現可能性に疑問があるばかりか、平時から国民に非現実的な危機意識を植え付け、知る権利をはじめとする国民の人権を制約する危険性を有するなどの問題点がある」と指摘し、「当会は、国際協調主義に則り、非軍事的方法を真摯に模索探究し、平和主義を実現していくことこそが基本的人権の尊重であることを確認し、今後、有事法制3法及び有事法制関連7法等の発動が決してなされることのないよう強く求めるものである。」という会長声明を出したところである。それは、特定の思想信条や政治的立場からではなく、法律家としての良心に基づき、基本的人権を擁護する立場からである。
 昨年、国民保護法が成立し、国が作成した「国民の保護に関する基本指針」および「都道府県国民保護モデル計画」に基づいて、今年度中に都道府県において、国民保護計画の作成が行われる予定となっている。京都府においても、既に国民保護協議会が開催され、京都府国民保護計画(以下、単に国民保護計画という)の策定中である。国民保護法に対する評価は別として、現実に法に則り国民保護計画が具体的に策定される以上は、それが万が一にも基本的人権を侵すことのないよう、十分な配慮の上で策定されなければならないことは当然である。
 本意見書は、現在、京都府において検討されている国民保護計画の策定にあたって、人権保障上留意すべき点を中心として、既に公表されており今回の策定に当たっても重要な参考とされるであろう「都道府県国民保護モデル計画」(以下「モデル計画」という)に即して、できる限り具体的に指摘し、意見を述べるものである。
第1 本意見書の要旨
 本意見書では、モデル計画を検討対象としつつ、国民保護計画に関し、その策定時期、人権保障上特に規定すべき内容及び留意点、策定に際しての意見聴取等について指摘し、意見を述べている。
すなわち、
 1 第2「各地方公共団体が独自に基本的人権を尊重した国民保護計画を作成することが可能であること」では、
(1) 2005(平成17)年度中に国民保護計画を完成するという政府の方針に固執するのではなく、また、モデル計画を単に引き写しただけの国民保護計画を作成するのではなく、各地方公共団体独自に広く府民や国民保護計画に関係する者の意見を聞いて、軍事作戦優先ではなく、住民の生命身体財産の安全を優先し、かつ住民の基本的人権を侵害する恐れのない国民保護計画を作成すべきであること、国民保護協議会委員に弁護士委員を加えるべきこと、
(2) 各地方公共団体独自に、武力攻撃事態に至らないためにいかなる役割を果たせるかを積極的に検討する必要があることを述べている。
2 第3「基本的人権及び平和主義を尊重した国民保護計画の作成」では、
(1) 日本国籍以外の住民の人権保障を図るために国民保護計画で具体的な定めをおくべきこと、
(2) 各国民保護措置のうちで特に人権保障上問題となりうる措置に関して、モデル計画では、人権保障のための手続き保障や具体的な定めを欠いているので、これらの措置を取り上げて、人権保障のために具体的に盛り込むべき事項を指摘している。
3 第4「国民保護法が定める強制措置の内容とその問題点について」では、
(1) 国民保護法が定めている強制措置については、その実施のための手続きや関係者が拒否できる「正当な理由」を具体化しないと人権侵害の恐れが強い、という観点から、国民保護計画に具体的に定めるべき事項や検討すべき事項を指摘し、
(2) 更に強制措置の対象となる運送事業者や医療関係者など関係者について、単に事業者側だけではなく、実際に国民保護措置に従事することとなる労働者側の意見も聞きながら国民保護計画を作成すべきであることを指摘している。
 4 第5「『平素からの備えや予防』について」では、モデル計画の内で特に「第2編 平素からの備えや予防」の項目を取り上げて検討を行った。
まず、武力攻撃事態等によって発生した国民保護法でいうところの「武力攻撃災害」と自然災害とは本質的に違うという観点から、
(1) 国民保護計画の定める訓練や啓発活動では、この違いを充分に意識した活動を行う必要があること、
(2) 自然災害への対策と武力攻撃災害への対策とを誤解させて住民の協力を求め、更には住民の協力を事実上強制することのないように、国民保護計画で具体的な定めをおく必要があること、
などを指摘し、そして、
(3) 国民保護法が単にいわゆる「有事」が発生した場合だけではなく、それ以前の「平時」からの備えを求める点において、有事の脅威のみを強調して平素からの対策を行った場合、憲法で定める平和主義や人権保障との抵触の危険があるという観点から、モデル計画の問題点を指摘し、平和主義や人権保障を侵害することのない国民保護計画とするために具体的に配慮すべき点を指摘している。
5 第6「安全配慮義務について」では、
(1) 実際に国民保護措置に従事する地方公共団体の職員や指定地方公共機関など関係者の生命身体の安全を確保するために、国民保護法に定められた抽象的な安全配慮義務に関する規定を具体化する規定を国民保護計画に盛り込むとともに、
(2) 国民保護計画を作成するにあたり、国民保護措置に実際に従事することとなる職員や労働者の意見を聞き、その意向を反映させる必要があることを指摘している。
 6 第7「報道の自由、知る権利への配慮をした国民保護計画」では、いわゆる「有事」において、知る権利や報道の自由が最大限に保障されなければならないという観点から、モデル計画に盛り込まれた規定では、知る権利や報道の自由、更には国民の表現の自由への保障としては不充分であること、また、指定公共機関、指定地方公共機関に指定された放送事業者の自律性を保障するためにも不充分である点を指摘した。
そして、これらの人権や放送事業者の自律性を保障するために国民保護計画に具体的に定められるべき事項を指摘している。
匿名希望
組織的犯罪対策立法に関する会長声明
1999年(平成11年)8月12日
兵庫県弁護士会 会長 丹治 初彦
本日「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」及び「刑事訴訟法の一部を改正する法律」の三法が成立した。
 これら三法には、国民の基本的人権を侵害する憲法上重大な問題点が存していることは、当会の平成11年5月28日付会長談話で指摘したとおりであり、当会常議員会においても立法化に反対し、慎重な審議を求めてきた。また、国民各界、各層からも多くの異論が出された。それにもかかわらず、国会において徹底した審議がなされたとは到底考えられず、三法の成立をみたことは、まことに遺憾というほかない。
 当会は、引き続き、三法の廃止を求めるとともに、いささかも市民の権利が侵害されることがないよう最大の努力をすることを表明するものである。

匿名希望
『「テロ等準備罪」(共謀罪)法案の成立に強く抗議し、同法の廃止を求める会長声明』(2017年6月15日)
本日、衆議院に引き続き、「良識の府」ともいわれる参議院においてまでも、十分な審議が尽くされないまま共謀罪法案が強行可決されたことに対し、当会は以下のとおり強く抗議する。
 共謀罪法案は「テロ等準備罪」という名前を冠してはいるが、その実態は、これまでの当会会長声明で指摘してきたとおり、「共謀罪」に他ならない。
 本年1月からの通常国会における共謀罪法案の審議を通じて、テロ対策とは名ばかりであること、この法案の制定が国連越境組織犯罪防止条約の要請に基づくものとはいえないこと等が明らかとなった。そしてさらには、捜査機関が「組織的犯罪集団」と判断しさえすれば、いかなる市民の集まりであってもそこでなされる会話等が捜査機関の監視の対象となり、逮捕、捜索・差押えという強制捜査が可能となることまで明らかとなった。
 参議院の審議では、「組織的犯罪集団」の周辺者までが捜査・適用対象となるという答弁等がなされ、適用対象の明確性に対する疑念がさらに強められた。また、国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏により、プライバシー保護や刑罰法規の明確性の原則との関係で同法案は問題がある、との警鐘が鳴らされた。
 このように数多の問題があり、かつ、十分な議論がなされていない状況下で、採決を行うことは許されない。「特に必要があるとき」(国会法56条の3第1項)という要件が存しないにもかかわらず「中間報告」を強行し、「議院が特に緊急を要すると認めたとき」(同条第2項)という要件が存しないにもかかわらず本会議での審議に付したという今回の経緯は、異常というほかない。これでは、中間報告があった案件について、委員会での審議に代わって「議院の会議において審議」した(国会法56条の3第2項)とも到底認められない。振り返っても、衆議院法務委員会では30時間しか、参議院法務委員会ではわずか17時間50分しか審議がなされていない。全体として、本国会での採決手続には重大な違法の疑いがあるというべきであり、このような民主主義の根幹を揺るがすやり方に対して、断固として抗議する。
 当会は、共謀罪法案の廃案を求める街頭宣伝活動を継続して行いつつ、本年6月1日には221名の賛同所属会員とともに、京都新聞に同法案に反対する意見広告を掲載するなどして、広く市民の方々に向けて同法案の危険性を訴えてきた。
 当会は、日本国憲法12条前段の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」と規定されていることを重く受け止め、今回の参議院における可決に対し、強く抗議する。そして、同法の廃止を目指して市民とともにあらゆる行動に取り組むこと、万が一、同法の適用事例が発生した場合には当会と所属会員は全力をあげて同法が憲法違反であることを明らかにし、市民の権利を擁護する決意であることを、ここに表明する。
2017年(平成29年)6月15日
京 都 弁 護 士 会
会長 木 内 哲 郎