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2229 信州味噌栃木県弁護士会①

信州味噌栃木県弁護士会①
明けましておめでとうございます。
余命様、余命プロジェクトの皆様、お世話になっております。
弁護士会の目眩のするような記事の数々に圧倒されています。
栃木県の弁護士会も、もれなくお仲間みたいなので、投稿させていただきます。

いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正法案が成立したことに強く抗議する会長声明
1 政府は今年3月21日、いわゆる共謀罪(以下「共謀罪」という。)の創設を含む組織的犯罪処罰法改正法案(以下「本法案」という。)を通常国会に提出し、本法案は5月23日、衆議院本会議にて可決された後、6月15日の参議院本会議で可決され、成立する運びとなった。栃木県弁護士会では、昨年10月27日付で「いわゆる共謀罪の創設に反対する会長声明」(以下「声明」という。)を発出したが、本法案が成立したことについて強く抗議し、直ちに廃案とすることを求める。
2 声明では、共謀罪の適用対象としての「組織的犯罪集団」が何ら限定にはなっておらず、思想良心の自由、表現の自由、結社の自由を侵害する危険性が高いことを指摘したが、本法案の国会審議でも明らかとなったとおり、その定義は不明確かつあいまいであるうえ、政府の答弁が二転三転しており、その適用範囲が全く定まっていない。
3 また、「準備行為」を要件としたとしても、処罰範囲を限定したものといえないと声明では述べたが、本法案においてもその問題点は何ら解消していない。
 本法案では、「準備行為」を「資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の行為」としているが、上記行為が外見のみでは判断できないうえ、国会答弁によれば準備行為の前から捜査を行うことは可能であるとされている。だとすれば、準備行為が処罰範囲拡大の歯止めとして機能することは考えにくい。かえって、捜査機関から犯罪の計画段階にあると認定された場合、準備行為前から捜査の対象とされることによって、尾行や監視等によりプライバシーを侵害され、民主制の大前提である表現活動や思想良心が萎縮的効果により、制約される危険性が高いことは自明である。
4 本法案では共謀罪の対象犯罪が277にまで減らされたというが、いまだに対象犯罪が広範に過ぎるうえ、著作権法違反や森林法違反などが含まれる一方、公職選挙法違反、政治資金規正法違反やいわゆる権力犯罪が除外されており、その選別が恣意的かつ不合理である。我が国の刑事法体系を大幅に変更するような共謀罪の創設にあたっては、対象犯罪の立法事実を一つ一つ丁寧に検討しなければならないところ、この点に関する国会審議はなおざりとしかいいようがない。
5 政府は、共謀罪を創設することが国連越境組織犯罪防止条約(以下「パレルモ条約」という。)を批准するための条件であるかのような説明を行い、本法案の目的をテロ対策であると強弁したうえ、「テロ等準備罪」なる呼称を用いている。これらの説明や表現は次に述べるとおり、「印象操作」を用いて、世論を誤導するために行われているとしかいいようがない。
 そもそも、当初の法案には、「テロ」の文言すらなかったし、わが国は数々のテロ対策の国際条約に加盟しているのであるから、共謀罪を創設しなくとも、パレルモ条約を批准することに支障はない。パレルモ条約がテロ対策を直接の目的とするものではないことは、国連の立法ガイド作成に関わったニコス・パッカス教授も認めている。
 しかも、本法案は組織的犯罪集団を処罰対象としているものであるから、欧米で最近頻発しているいわゆる「ローンウルフ型」のテロに対する歯止めとはならない。
6 本法案が成立するに至る国会審議のありようについても、極めて問題が多かった。まず、法務大臣が本法案の答弁に問題があることから、野党の同意を得ないまま政府参考人を常時同席させたほか、首相を含め関係者の答弁が不一致、矛盾していることの追及の機会も十分に与えられず、審議が尽くされないままとなっている。本法案は、今まで3度も廃案となった違憲のおそれがある、国民の人権に関わる極めて重大な法案であるにもかかわらず、与党が最初から審議時間ありき、結論ありきの審議を行い、最終段階では参議院法務委員会の採決を省略するという、戦後憲政史上の汚点といえる成立過程をたどった。
 さらには、衆議院通過後の国連人権理事会の特別報告者ケナタッチ氏の質問、批判にも、政府は一切耳を傾けず、国連人権理事会の理事国でもあるわが国の国際的な信頼を失墜させかねない行為に及んでいる。
7 本法案が成立したことにより懸念されるのが、本法案の実効性を高めるために、共謀罪を通信傍受の対象とする法改正がなされることである。そのような法改正がなされるのであれば、一層の監視社会化が進行することは火を見るより明らかであり、絶対に許されるべきではない。
8 以上のとおり、本法案については、その内容及び成立過程ともに重大な問題を含んでいるものであり、当会としてはこのような法案が成立してしまったことについて断固抗議し、直ちに廃案とすることを強く求める。
2017年(平成29年)6月15日
栃木県弁護士会
会長 近 藤 峰 明

死刑執行に抗議する会長声明
2016年(平成28年)11月24日
栃木県弁護士会
会長 室 井 淳 男
本年11月11日,福岡拘置所において,1名の死刑確定者に対する死刑の執行が行われた。
 現在,死刑を廃止又は停止している国は140か国であり,死刑存置国58か国の2倍以上に上り,死刑廃止は国際的な潮流となっている。また,OECD加盟国のうち,死刑制度を存置している国は,日本・韓国・米国の3か国のみであるが,韓国は17年以上にわたって死刑の執行を停止,米国の19州は死刑を廃止しており,死刑を国家として統一的に執行しているのは日本のみである。こうした状況の中で,国際人権(自由権)規約委員会は,2014年,日本政府に対し,死刑の廃止について十分に考慮すること等を勧告している。また,国連総会は,同年12月18日,全ての死刑存置国に対し,「死刑の廃止を視野に入れた死刑執行の停止」を求める決議を過去最高数である117か国の賛成多数で採択した。
 日本弁護士連合会は,本年,「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し,我が国において国連犯罪防止刑事司法会議が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すこと,また,代替刑として,刑の言渡し時に「仮釈放の可能性がない終身刑制度」,あるいは,現行の無期刑が仮釈放の開始時期を10年としている要件を加重し,仮釈放の開始期間を20年,25年等に延ばす「重無期刑制度」の導入等を政府に求めた。
  また,当会も,本年3月25日の死刑執行について,政府に対し,死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くされるまでの間,死刑の執行を停止することを求める会長声明を発した。
 このような勧告,決議案,要請及び声明に対し,政府は,慎重な議論を尽くさず,本年3月25日に2名の死刑執行を行ってからわずか8か月足らずの間に死刑執行を行った。このことは,死刑廃止が国際社会の潮流となっていることを無視し,国際社会の要請を蔑ろにするものであり,極めて遺憾である。
 また,今回死刑が執行された事件は,裁判員裁判において死刑判決が言い渡されたものであるが,裁判員制度においては,一般市民から選出された裁判員が死刑判決に関与することになる。そのため,裁判員制度の実施にあたっては,死刑制度に関する的確な情報のもと,死刑制度の存廃についての十分な国民的議論が尽くされることが必要不可欠である。
 しかしながら,現在においても,死刑制度に関する情報の開示は不完全であり,死刑制度の存廃についての十分な国民的議論が尽くされているとは言い難い。
 当会は,このような我が国の死刑制度に関する現状を踏まえ,政府に対し,死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くされるまでの間,死刑の執行を停止することを改めて強く求めるものである。
いわゆる共謀罪の創設に反対する会長声明
1 本年8月26日、「組織犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪(テロ等組織犯罪準備罪)」の新設を内容とする組織犯罪処罰法改正案(以下、「新法案」という。)が国会提出される旨の報道がなされた。その後、本年の臨時国会への提出は見送られたと報道されたが、今後同法案が国会に提出される可能性は高い。同法案は、罪名や要件に変更が加えられているものの、実質的には、平成15年以降、3度国会に提出され廃案となっている、いわゆる共謀罪の創設を目的とするものである。
2 いわゆる共謀罪とは、二人以上の者が犯罪を行うことを話し合って合意することを処罰対象とする犯罪類型である。
 新法案はテロ等組織犯罪準備罪の要件について、犯罪の遂行を2人以上の者が計画し、計画者の「犯罪の実行のための資金又は物品の取得その他の準備行為が行われたとき」を要件とすることで、処罰範囲を限定したものとしている。しかし、「共謀」が「計画」になったとはいえ、行為ではなく思想や内心自体が処罰される危険性があり、近代刑法の原則に反するというべきである。また「準備行為」を要件としたとしても、たとえばATMから預金を引き出すといった単なる私生活上の行為が、犯罪の実行のための資金の取得と見なされる可能性があるなど、予備罪より前の危険性が低い行為を広く含みうるおそれがあり、その適用範囲が限定されたものとは考えられない。そのため、たとえ「計画」や「準備行為」を要件としても、テロ等組織犯罪準備罪は、処罰範囲が捜査機関の運用に委ねられる可能性があり、従来からの問題点が解消されたものとはいえない。
3 また、報道によると、新法案では、テロ等組織犯罪準備罪の適用対象は、その目的が長期4年以上の懲役・禁錮にあたる罪を実行することにある団体である「組織的犯罪集団」に限定されるとしている。しかし、対象犯罪が600以上にのぼるため、過度の規制となりうるうえ、単に「団体」としていたのを「組織的犯罪集団」に変更したとしても、対象となる団体の範囲は不明確であることから、その運用によっては適法な活動をする団体が組織的犯罪集団とされてしまう可能性がある。すなわち、市民団体がマンションの建設に反対して現場で座り込みをしたり、労働組合が徹夜も辞さずに団体交渉を続けようと決めるだけで、組織的威力業務妨害罪や監禁罪のテロ等組織犯罪準備罪とされる危険性がある。そのため、新法案によっても、憲法上保障された思想・良心の自由、表現の自由、結社の自由を大きく侵害する可能性が高い。
4 さらに、共謀ないし計画は二人以上の者の合意であるから、その捜査対象は市民の会話、電話、ファックス、電子メールなどになる。そのため、テロ等組織犯罪準備罪を実効的に取り締まるためには、通信傍受法の対象犯罪の拡大、手続の緩和など、捜査機関がより国民のプライバシーを把握しやすくなるような法制度が必要になる。通信傍受の適用範囲を拡大する刑事訴訟法改正案が成立した情勢に鑑みると、テロ等組織犯罪準備罪の新設は、捜査の名の下に通信傍受が頻繁に行われるなど、市民のプライバシーが侵害されることが常態化しかねない危険性をはらんでいる。
5 加えて、政府は、共謀罪の創設を目的とする法案は、国連越境組織犯罪防止条約を批准するために成立させる必要があると説明してきた。
 しかし、同条約は国際的な組織犯罪を防止することを目的とする条約であるにも関わらず、政府の準備する法案は国境を越えるという性質である「越境性」が要件にされておらず、立法目的を越えて規制を行う過度に広汎な立法であると言わざるを得ない。
  また、同条約は、組織犯罪に関連する重大な犯罪について、合意により成立する犯罪が未遂以前で処罰可能とされていれば批准することができるところ、我が国の刑罰法規はかなりの範囲の犯罪について予備や陰謀など未遂以前の行為を処罰する規定を備えており、且つ判例上未遂以前の段階である予備罪についても共謀共同正犯の成立も認められている。そのため、いわゆる共謀罪の規定を創設せずとも条約の批准は可能であり、いわゆる共謀罪の創設は不要である。
6 以上のように、新法案は我が国の刑法体系の大原則に反し、基本的人権の保障と深刻に対立する上、過度に広汎な処罰の危険性を内包するものであり、国連越境犯罪防止条約の批准にも不要であり、従来の共謀罪法案の問題点が解消されたとはいえない。したがって、当会は共謀罪法案に反対するとともに、政府に対し新法案の提出を断念するよう求めるものである。
2016年(平成28年)10月27日
栃木県弁護士会
会長 室 井 淳 男
ttp://www.tochiben.com/topics/topicslist.php
栃木県弁護士会ホームページより引用です。

.....「法案が成立した」「法が成立した」???
何か違和感がある。日本語って難しいなあ。